はじめてのWeb制作|発注前に知っておくべき準備とは?

ホームページを作りたいけれど、「何を準備すればいいのか分からない」「どんな流れで依頼すればいいのか不安」
というお悩みはありませんか?特に初めて制作会社に依頼する場合、事前準備や制作の流れが見えずに戸惑う方も多いはずです。
この記事では、これからホームページ制作を依頼したいと考えている方に向けて、必要な準備・依頼の進め方・会社選びのコツまで、わかりやすく丁寧に解説します。
■この記事でわかる3つのこと
- ホームページ制作前に行うべき事前準備
- ホームページ制作依頼時に準備しておくと良い情報
- ホームページ制作の手順と流れ
本記事の信頼性
執筆者は営業歴10年、鳥栖市を拠点とするWeb制作会社にて多数の中小企業様のホームページ制作を支援してきた実績があります。「伝わる・成果につながる」サイト作りを、現場経験に基づいてお伝えします。
この記事を読み終えるころには、ホームページ制作への不安がなくなり、自信を持ってスムーズに依頼へと進める準備が整っているはずです。ぜひ最後までご覧ください。
ホームページ制作前に行うべき事前準備
目的とターゲット層を明確にする
ホームページ制作で最初に行うべきことは、「何のためにホームページを作るのか」「誰に向けて情報を発信するのか」を明確にすることです。目的やターゲットが定まっていないと、制作会社に依頼しても要望が伝わりにくく、完成したサイトの方向性がブレてしまう原因になります。
例えば、以下のように分類することができます。
- 目的の例:企業認知/問い合わせ増加/採用強化/販売促進/既存顧客向け情報提供
- ターゲットの例:20代の求職者/近隣の主婦層/建設業の発注担当者/ECサイト利用者
中小企業庁が公表した「中小企業のIT活用実態調査(令和4年度)」でも、明確な目的を持ってWebサイトを運用している企業の方が、問い合わせ件数や売上向上といった成果を得やすい傾向にあると報告されています。
たとえば、ある地域密着型の工務店では「家づくりに悩む30~40代の夫婦」をターゲットに絞り、ブログ形式で施工事例や家づくりの豆知識を発信することで、月に5件以上の問い合わせを安定して獲得するようになりました。
このように、目的とターゲットを明確にしておくことで、必要なページ構成やデザインのトーン、訴求内容がブレずに、効果的なホームページが作れます。
納期と予算を確認する
次に大切なのが、希望する「納期」と「予算」の把握です。これを事前に明確にしておくことで、制作会社とのやりとりもスムーズになります。
一般的なホームページ制作の期間と費用の目安は以下の通りです。
制作規模 | 制作期間 | 費用相場 |
---|---|---|
小規模(5ページ程度) | 1〜2ヶ月 | 30〜80万円 |
中規模(10〜20ページ) | 2〜3ヶ月 | 80〜150万円 |
大規模・多機能(採用/ECサイトなど) | 3ヶ月〜 | 150万円〜 |
実際、短納期での対応を希望した結果、追加費用が発生した事例もあるため、希望納期と予算の上限・下限をはじめに整理しておくことが大切です。
特に中小企業では「補助金(例:IT導入補助金)」を活用して制作するケースも多く、その場合は申請スケジュールも逆算して計画する必要があります。
社内の役割分担・関係者の連携体制を整える
ホームページ制作は、社内の複数の関係者が関わるプロジェクトになることが多いため、事前に「誰が何を担当するか」を明確にしておくことが成功のポイントです。
主な社内役割の例:
- 窓口担当(制作会社との連絡、進捗管理)
- 文章作成・確認担当(原稿や紹介文の用意)
- 写真や資料の手配担当
- 社内チェック担当(上長や経営者など)
スムーズな制作のためには、情報共有の体制(社内チャット・共有ドライブ・定例ミーティングなど)も整えておくと安心です。
たとえば、ある建設会社では、窓口担当者が1人で全作業を抱えて進行が遅れたため、担当を3人に分けたところ、納期通りに無事公開できたというケースもあります。
このように、事前準備が整っている企業ほど、無駄な手戻りが減り、予算内・納期通りに効果的なホームページを完成させることができます。
ホームページ制作依頼時に準備しておくと良い情報
会社案内・商品写真などの資料
ホームページ制作を依頼する際には、まず会社の情報やサービス内容が分かる「資料」をあらかじめ準備しておくことが大切です。これにより、制作会社は内容を深く理解し、適切な構成やデザインを提案できます。
特に重要な資料の例は以下の通りです。
- 会社案内パンフレット(PDFなど)
- 商品・サービスのカタログや説明書
- 過去のチラシ・販促資料
- 代表あいさつ・企業理念・沿革
- スタッフや店舗の写真素材
中小企業庁が実施した「IT導入に関する課題調査(令和4年度)」でも、「社内に情報がまとまっていない」ことがWeb活用の障害となっているとの結果が出ており、事前に情報を整理することの重要性が指摘されています。
たとえば、ある工務店では、制作会社に資料が十分に渡っていなかったため、追加取材が必要になり、納期が1ヶ月延びてしまったという事例があります。逆に、企業案内・施工事例・価格表を最初に一式提出した別の企業では、打ち合わせの回数が半分で済み、短期間で質の高いホームページが完成しました。
希望するページ数・構成(サイトマップ)
「どんなページを、何ページぐらい作りたいか」は、ホームページの設計や費用を決めるうえで重要なポイントです。これを「サイトマップ」として簡単に整理しておくと、制作会社との打ち合わせがスムーズになります。
基本的な構成例:
- トップページ
- 会社概要
- サービス紹介
- お客様の声
- お問い合わせ
- 採用情報
中小企業のWeb活用実態調査(独立行政法人中小企業基盤整備機構)でも、成果の出ている企業ほど「自社に合った構成を事前に考えていた」傾向があるとされています。
実際、ある不動産会社では、「トップページ+物件紹介+スタッフ紹介+FAQ+お問い合わせ」の計5ページ構成でサイトを設計。ユーザーが迷わず情報にたどり着ける導線設計が奏功し、公開後の問い合わせ件数が約1.8倍に増加しました。
欲しい機能やスマホ対応の有無
ホームページに「どのような機能を盛り込みたいか」も、制作会社にしっかり伝えておきたいポイントです。最近ではスマホ対応(レスポンシブ対応)も必須とされています。
よくある機能の例:
- お問い合わせフォーム
- 予約カレンダー
- ブログ更新機能
- 地図・アクセス表示(Google Map)
- SNS連携(Instagram・LINEなど)
総務省「通信利用動向調査(2023年)」によると、スマートフォンによるWeb閲覧は全年代で8割を超えており、モバイル対応していないサイトはユーザー離脱の要因になりやすいとされています。
実際に、美容室のホームページでスマホ対応を強化したところ、スマートフォンからの予約が2.5倍に増加したという事例もあります。機能要件を明確にしておくことで、目的に合った開発が可能になります。
参考デザイン・機能の例
「こんな雰囲気のホームページにしたい」「このサイトの機能を取り入れたい」といったイメージを具体的に伝えるために、参考となるWebサイトをピックアップしておくと便利です。
提示する際は、以下のようなポイントを明確にすると効果的です。
- デザイン面(配色・レイアウト・フォント)
- コンテンツ構成(どんな情報がどこにあるか)
- 機能面(検索機能・チャットボット・フォーム)
たとえば、ある製造業では、「他社のBtoB製品サイトを参考にしたい」と事前にURLを3つ用意して依頼。それにより、打ち合わせ1回で方向性が決まり、修正回数も少なく済んだという成功例があります。
逆に、何の参考資料もないまま依頼すると、制作会社側の提案とのズレが大きくなり、やり直しが増える可能性があります。
ホームページ制作の手順と流れ
発注(RFPの作成・見積依頼)
ホームページ制作は、最初の「発注準備」がとても重要です。特にRFP(提案依頼書)を用意することで、制作会社に自社の目的や要望を正確に伝えることができます。
RFPに含めるべき主な内容:
- 制作の目的(例:新規顧客獲得、採用強化)
- ターゲットユーザーのイメージ
- 希望納期と予算感
- 必要なページ構成や機能
- デザインや参考サイトのイメージ
たとえば、RFPなしで見積もりを依頼した企業では、提案内容が各社バラバラになり、比較が困難になったという失敗例があります。一方、RFPを用意した企業では、スムーズに見積取得ができ、発注先の決定も早かったと報告されています。
ヒアリング・企画立案
制作会社との契約が決まると、次に行うのが「ヒアリング」と「企画の立案」です。ここでは、ホームページの構成やコンテンツ、機能などについて詳しく話し合います。
ヒアリングで確認される主な内容:
- ユーザーに伝えたいメッセージ
- 競合他社の情報
- 社内で保有している素材や文章
- 更新・運用の方針
この段階での認識ズレを防ぐため、制作会社は「企画書」や「提案資料」を作成し、内容を共有するのが一般的です。
たとえば、ある飲食店では、「地域のお客様向けに親しみやすさを出したい」という要望がヒアリングで明確になり、それに合わせた親しみやすいトーンのデザインが採用され、開設後すぐに予約件数が増加しました。
構成設計・原稿や素材の準備
ヒアリングをもとに、ホームページの構成案(ワイヤーフレーム)が作成され、同時に文章(原稿)や画像・資料などの準備が進められます。
用意する代表的な素材:
- 会社概要・サービス説明文
- 代表者のあいさつ
- 製品やサービスの写真
- ロゴ・パンフレット
原稿の作成を制作会社に依頼する場合もありますが、業務の詳細などは発注側でないとわからない部分も多いため、自社でたたき台を用意するとスムーズです。
例えば、原稿を社内で用意してから制作に入った企業では、修正の回数が減り、全体のスケジュールが約2週間短縮された事例があります。
デザイン制作・確認
構成が固まったら、次は「デザイン制作」に進みます。制作会社からトップページや下層ページのデザイン案が提示され、発注側は確認・修正を行います。
確認ポイントの例:
- 配色やフォントがイメージに合っているか
- 写真の見せ方・余白の使い方が適切か
- PC・スマホの表示イメージが整っているか
特にスマホ表示(レスポンシブ対応)の確認は忘れずに行いましょう。使いづらさがあると離脱に直結します。
ある士業のホームページでは、スマホ表示を意識して修正した結果、問い合わせ率が約1.4倍に向上したという実績があります。
コーディング・開発
デザインが確定すると、実際にHTML/CSSなどでページを構築する「コーディング」作業に入ります。動きのあるページや機能(フォーム、スライダー、予約カレンダーなど)がある場合は開発工程も含まれます。
コーディング工程での注意点:
- スマホ・PC両方で見やすいレスポンシブ設計
- SEOを意識した構造(見出しタグの使い方など)
- 読み込み速度を意識した軽量化
この段階では発注側の関与は少なくなりますが、進捗状況や途中確認を行うことでトラブルを防げます。
動作確認・テスト
コーディングが完了すると、仮公開(ステージング環境)での動作確認・テストが行われます。
テスト項目例:
- 各リンクが正しく設定されているか
- フォームの入力・送信が正常に動作するか
- スマホ・PC・タブレットそれぞれでの表示確認
- 誤字脱字や表記ゆれのチェック
この工程で発見された不具合や表示崩れを修正し、公開前の最終調整を行います。
実際に、公開前のテストでフォームの送信先ミスが見つかり、問い合わせ漏れを未然に防げた事例もあります。
サイト公開・納品
すべての確認が完了したら、いよいよホームページを公開します。独自ドメインの設定や、サーバーへのアップロード作業もこの段階で行われます。
また、制作会社からは「納品書」や「更新マニュアル」などが提供されることもあります。更新方法のレクチャーや管理画面の使い方などもこのときに確認しておきましょう。
たとえば、ある事務所では公開時にGoogleマップや検索エンジン登録を同時に済ませたことで、すぐに検索流入が発生し、初月からお問い合わせを獲得できたという成果を上げました。
運用・保守・改善
公開後は、運用・保守フェーズに移行します。定期的な更新やアクセス解析、トラブル時の対応など、継続的なサポートが必要になります。
主な運用・保守内容:
- 月1回のニュース更新やブログ投稿
- アクセス解析(Googleアナリティクスなど)
- サーバーやプラグインのアップデート
- 問い合わせフォームのテスト
たとえば、公開後にブログを定期更新していた建築会社では、半年後に「◯◯市 工務店」のキーワードで上位表示され、問い合わせ件数が月3倍に増加したという例があります。
このように、ホームページ制作は公開して終わりではなく、その後の改善と運用が本当の成果につながります。
今回は、ホームページ制作を依頼する前に知っておきたい準備・流れ・注意点を網羅的にご紹介しました。スムーズな進行と理想の仕上がりを実現するためには、事前準備の質が重要です。下記のポイントを押さえて、失敗しない制作依頼を目指しましょう。
- 制作目的と対象を明確にする
- 納期や予算を事前に整理する
- 掲載素材は早めに用意しておく
- 参考サイトで方向性を共有する
- ページ構成や希望機能を伝える
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