中小企業こそホームページが必要な理由【事例あり】

「ホームページは本当に必要なのか――」
SNSの普及により、こうしたご質問を経営者の方からいただく機会が増えています。特に中小企業においては、限られた予算の中で何に投資すべきかを見極めることが重要であり、ホームページの必要性について再検討されている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、営業歴10年・地元鳥栖市を拠点に中小企業様のWeb支援を行ってきた制作会社が、「ホームページの本質的な役割と必要性」について、具体的な視点からご説明いたします。
■ 本記事で得られる3つの知見
- ホームページとは?まず知っておきたい基礎知識
- 従業員規模・業種別に見る「ホームページが必要なケース/不要なケース」
- 信頼構築・営業支援・採用活動など、企業成長におけるホームページの活用法
記事を読み終えていただく頃には、貴社にとってホームページが「本当に必要かどうか」を適切に判断できるだけでなく、今後の事業戦略にどう位置づけるべきかの方向性もお分かりいただけるはずです。
経営判断の一助として、ぜひご一読ください。
ホームページとは?まず知っておきたい基礎知識
ホームページの主な役割とは
ホームページの主な役割は、企業や事業者の「顔」としての情報発信に加え、営業・採用・ブランディング・顧客対応など、さまざまな面で効果を発揮することです。
たとえば、次のような役割が挙げられます。
- 信頼性の担保:会社概要や所在地、代表者情報などを掲載することで、初めて訪問した人に安心感を与えます。
- 営業支援:サービス内容や料金体系を明示することで、問い合わせのハードルを下げ、営業担当が不在でも情報を届けられます。
- 採用活動:求職者が企業研究をする際に、雰囲気や理念を伝える重要な判断材料になります。
- 顧客対応:FAQやお問い合わせフォームを設置することで、24時間対応が可能となり、業務効率の向上にもつながります。
- 検索流入:Googleなどの検索結果に表示されることで、新たな見込み顧客を獲得するチャンスが増えます。
経済産業省の「中小企業白書(令和3年版)」では、コロナ禍をきっかけに「事業継続力強化を意識し、デジタル化に取り組んでいる」と回答する中小企業が過半数を占めており、ホームページが営業・集客チャネルとして非常に有効であることが分かっています。
たとえば、地方の小さな飲食店でも、ホームページを立ち上げて予約システムを導入したことで、電話対応の手間が減り、業務が効率化されたという事例があります。結果としてリピーターが増え、売上にもつながったとのことです。
このように、ホームページは「単なる会社紹介」ではなく、「営業ツール」や「信頼構築の拠点」として、多面的な活用が可能です。特に競争が激しくなる現代においては、情報を正確に、そして分かりやすく発信できるホームページの存在は非常に重要です。
ホームページとSNSの違いとは?
ホームページとSNSは、どちらも情報を発信する手段ですが、その目的や特性には大きな違いがあります。結論から申し上げると、ホームページは「信頼性や安定性に優れた公式情報の拠点」、SNSは「拡散力と気軽なコミュニケーションに強い発信ツール」といえます。
まず、ホームページは企業や店舗の“公式な情報源”です。会社概要、サービス内容、アクセス情報、採用情報などを整理して掲載し、訪問者に対して正確かつ網羅的な情報提供ができます。一方でSNSはリアルタイム性と気軽な発信が魅力で、イベントの告知や日常の様子、顧客とのコミュニケーションなどに適しています。
たとえば、総務省の「情報通信白書(令和4年版)」によると、日本国内でインターネットを利用する際に最も信頼される情報源として「企業の公式ホームページ」がSNSを上回っています。つまり、多くの人がSNSの情報を見た後でも、最終的には公式サイトで裏取りをする傾向にあるのです。
実際に中小企業でも「SNSで興味を持った顧客が、詳細を知るためにホームページを訪れ、問い合わせや注文に至った」というケースは珍しくありません。SNSだけでは説明しきれない情報を、ホームページでしっかり補完する形です。
以上のことから、SNSとホームページは競合するものではなく、目的に応じて使い分けるべき存在です。信頼性を確保するには、まず土台となるホームページを持つことが重要です。
ホームページは本当に必要?判断のポイント
ホームページが必要とされるケース
現在、多くの企業や個人事業主にとって、ホームページは「必要不可欠なインフラ」となっています。特に以下のようなケースでは、ホームページを持つことが強く求められます。
- 企業や店舗としての信頼性を示したい場合
- 新規顧客の獲得を狙いたい場合
- 採用活動に力を入れている場合
- 24時間情報を届けたい、対応コストを減らしたい場合
たとえば中小企業庁の「中小企業白書(令和3年)」では、コロナ禍を機に「オンラインでの営業・採用活動を進める企業」が急増し、ホームページやオンライン対応の有無が明暗を分けたとされています。
また、総務省のデータでも、インターネットでサービスを検索したユーザーの7割以上が「ホームページがある企業をより信頼する」と答えています(令和4年 情報通信白書より)。
たとえばある地元のクリーニング店では、チラシ配布と合わせてホームページを立ち上げたところ、営業時間や料金表が見られるようになったことで問い合わせが2倍以上に増加しました。特に営業時間外のアクセスが多く、潜在顧客の取りこぼし防止に繋がった好例です。
このように、顧客との初接点として信頼性・利便性を提供するホームページは、企業活動を支える「第2の営業担当」ともいえる存在です。
ホームページが必要ないとされるケース
一方で、すべての事業者に絶対に必要というわけではありません。以下のような場合には、必ずしもホームページが必要とは限りません。
- 既存顧客だけで十分に収益が回っている
- 対面や電話のみでの営業が確立している
- インターネットでの情報発信を一切行わない方針
たとえば、高齢者向けに展開している地域密着型の商店などは、顧客がネット検索をしないため、ホームページよりも直接的な接客や口コミのほうが効果的です。
また、BtoBで業界内の紹介や人的ネットワークだけで受注が完結する企業では、ホームページの役割が限定的になることもあります。
ただし、注意が必要なのは「今は必要なくても将来的に必要になる可能性がある」ことです。たとえば世代交代や新規市場への参入時、販路拡大のタイミングでホームページがないことがボトルネックとなるケースも見られます。
つまり、現時点では必要性が薄くても、将来的な布石としての準備という視点も忘れないことが重要です。
ホームページを持つメリットとは
信頼性が高まる(名刺・看板のような役割)
ホームページは、企業や事業者にとって「デジタル時代の看板」です。名刺に会社のURLを載せるように、ホームページの存在があることで、相手に信頼感を与えることができます。
特に初めて取引する相手や、求人応募を考えている人にとって、会社の基本情報や理念がしっかり公開されていることは「安心材料」となります。逆にホームページがないと、「本当に存在する会社なのか?」「どんな事業をしているのか?」と不信感を持たれることもあります。
総務省の「情報通信白書(令和4年版)」によれば、利用者の約70%が「企業に対して信頼感を抱く材料として、公式ホームページの有無が重要」と回答しています。
実際に、ある建設会社ではホームページをリニューアルし、代表メッセージや施工実績を丁寧に掲載したことで、新規問い合わせ数が月に3倍に増えました。お客様が「しっかりしてそう」と感じたことが、問い合わせの決め手になったとのことです。
ホームページは「信頼の証明書」として、顧客・取引先・求職者の信頼を得る重要な手段といえるでしょう。
見込み顧客の獲得・営業効果(24時間・365日稼働)
ホームページは「24時間365日、文句を言わずに働いてくれる営業担当」のような存在です。いつでもサービス内容や価格、実績を確認できるため、時間帯に関係なく新規顧客の興味を引くことができます。
実際に営業担当が訪問できないような距離のある見込み客に対しても、インターネット経由で情報提供できるのが大きな強みです。また、興味を持ってもらった相手に対して、お問い合わせフォームや資料請求ページなどを設けることで、効率的な見込み顧客の獲得が可能になります。
経済産業省が公表した「IT導入実態調査(令和3年)」でも、ホームページからの問い合わせや資料請求が契約につながる割合が増加しており、営業効率の向上に寄与していることが示されています。
たとえば、IT業界のある企業では、営業スタッフを減らしてホームページ強化に投資したところ、問い合わせ数は倍増。訪問営業の代替手段として十分機能したとのことです。
このように、ホームページは「待ちの営業」から「攻めの営業」へと転換するための強力なツールになります。
採用活動に活用できる(求職者が確認する)
今の時代、求職者は求人票を見るだけでなく、企業のホームページを必ずチェックします。どんな会社なのか、雰囲気はどうか、どんな人が働いているかなど、求人票だけではわからない情報をホームページで確認しているのです。
実際にリクルートの調査(2023年)でも、就職活動中の学生のうち約85%が「応募前に企業のホームページを確認する」と回答しています。特に企業理念や先輩社員の声、働く環境の写真が好印象につながるとされています。
例えばある介護事業者では、採用専用のページを設けて社員インタビューや1日の仕事の流れを掲載したところ、応募数が2倍以上に増えた事例があります。「この会社なら安心して働けそう」という印象を持ってもらえたことが理由です。
ホームページは「会社の顔」として、求職者との信頼構築に欠かせない存在です。求人票の数行では伝えきれない魅力を発信する場として活用しましょう。
まとめ:ホームページの必要性とは?
ホームページは信頼を築く営業マン
ホームページは、インターネット上で会社やお店を代表する存在です。言い換えれば「無休で働く営業マン」であり、訪問者に対して24時間365日、企業の情報や価値を伝え続けてくれます。
名刺やパンフレットでは伝えきれない内容も、ホームページであれば画像や動画、事例紹介を通じて分かりやすく発信できます。また、会社の理念や姿勢をしっかり伝えることで、単なる取引相手ではなく「信頼できるパートナー」としての印象を持ってもらうことが可能です。
実際に、総務省「情報通信白書(令和4年)」によれば、企業の信頼性に関して「公式ホームページがあることが重要」と答えた人は約70%にのぼります。
つまり、ホームページは単なる情報の置き場ではなく、企業の顔として「信頼を築く営業担当」の役割を果たしているのです。
SNSとの併用で最大効果を発揮する
現代の情報発信では、SNSとホームページを上手に使い分けることで、より大きな効果が得られます。SNSは拡散力やスピード感があり、日々の出来事やキャンペーンを届けるのに適しています。一方で、ホームページは情報を体系的にまとめ、いつでも正確な情報を確認してもらえる「信頼の拠点」です。
以下のように役割を分担するのが理想です:
媒体 | 得意な役割 |
---|---|
ホームページ | 公式情報、サービス紹介、企業案内、採用ページなど |
SNS | 日常発信、イベント告知、ファンとの交流、拡散 |
たとえばある美容室では、SNSで最新スタイルの投稿を続けつつ、ホームページにはスタッフ紹介・料金表・予約フォームを整備。結果として、Instagramで興味を持ったお客様がサイト経由で予約し、来店につながる導線が完成しました。
このように、両者を併用することで「集客」と「信頼構築」の両輪を回すことができます。
必要かどうか迷ったら専門家に相談を
ホームページが必要かどうかは、業種や事業規模、ターゲットによって異なるため、迷った場合は専門家に相談するのが一番確実です。Web制作会社やIT導入補助金の相談窓口、地域の商工会議所など、無料で相談できる機関も多数あります。
判断する際は、以下の3点を基準にするとよいでしょう。
- 自社のターゲットはインターネットで情報を調べるか
- 現在の集客・採用方法に不安や課題があるか
- SNSやチラシだけで伝えきれない情報があるか
たとえば、ある地元の設備業者は、ホームページがなく新規顧客がほとんどいなかったため、商工会議所の紹介でWeb制作支援を受け、地域名を含めたSEO対策を実施。その結果、地域検索で上位に表示され、問い合わせが月に10件以上増加しました。
「必要かどうか」と迷っている時点で、すでに情報発信への課題意識がある証拠です。まずは小さく始め、信頼づくりの土台を構築していきましょう。
今回は、ホームページの必要性について、基礎知識から具体的な判断材料まで幅広く解説しました。中小企業にとって信頼構築・営業・採用のいずれにも効果を発揮するホームページは、今なお強力なビジネスツールです。SNSとの使い分けや目的の明確化を踏まえた上で、自社にとっての最適な形を考えてみてください。
- ホームページは信頼と実績の土台になる
- SNSと併用すれば集客効果が高まる
- 判断に迷うならまずは専門家に相談を
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