旧サイトを活かす!リニューアル前にやるべき3つのこと

「サイトのリニューアルを考えているけれど、まず何から手を付ければいいのかわからない」
「そもそも進め方の流れがイメージできない」そんな悩みをお持ちではありませんか?
本記事では、10年以上にわたって営業とWeb制作に携わってきた鳥栖市の制作会社が、初めての方でも安心して進められるよう、リニューアル準備の全体像を丁寧に解説します。
■本記事を読むことで得られる3つのこと
- サイトリニューアル前にやるべき準備の流れがわかる
- 進め方・手順をステップごとに理解できる
- 失敗を避けるための注意点と成功のポイントがわかる
本記事の執筆者は、10年間にわたり中小企業のWebサイト支援を行ってきたプロの営業・制作チームです。豊富な現場経験に基づき、実践的で信頼できる情報をお届けします。
記事を読み終える頃には、「これなら準備ができそう!」と自信を持ってリニューアルに踏み出せるはずです。どうぞ最後までご覧ください。
リニューアル前にやるべき準備と要件定義
既存サイトの分析と課題の洗い出し
リニューアルを成功させる第一歩は、現状のサイトがどのような状態かを正しく把握することです。Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使って、どのページにアクセスが多いか、直帰率や離脱率が高いページはどこかをチェックしましょう。また、社内の関係者や実際のユーザーへのヒアリングも有効です。これにより、何が機能しており、どこに課題があるかが明確になります。
リニューアル目的・目標(KGI・KPI)の明確化
目的が不明確なまま進めてしまうと、成果が見えにくくなり、時間やコストが無駄になってしまいます。まずは「何のためにリニューアルするのか(KGI)」を決めましょう。例えば「資料請求数を2倍にしたい」「採用応募を増やしたい」などが挙げられます。そのうえで、具体的な達成指標(KPI)を設定します。「月間アクセス数5,000件以上」や「滞在時間2分以上」など、数値化することで達成状況を把握しやすくなります。
ターゲットユーザー・ペルソナ設定
ターゲットがあいまいだと、デザインやコンテンツの方向性がブレてしまいます。リニューアル前に、誰に向けたサイトなのかを明確にする必要があります。年齢層、性別、職業、悩みや課題などを整理して、ペルソナ(架空の具体的な顧客像)を作成しましょう。これにより、ユーザー視点で情報設計ができ、サイトの成果にも直結しやすくなります。
要件定義の手順とポイント
要件定義とは、サイトに必要な機能や構成を明確にする作業です。ここで曖昧な部分があると、制作会社とのやりとりでトラブルの原因になります。要件定義では以下のような項目を整理しておきましょう。
- サイトのページ構成(トップページ、サービス紹介、会社概要など)
- 必要な機能(お問い合わせフォーム、CMS、検索機能など)
- 公開予定日や納期の目安
- 対応デバイス(PC、スマホ、タブレット)
必要に応じて、図や表を使って関係者と情報共有すると認識のズレを防ぎやすくなります。
RFP(提案依頼書)の作成方法
RFPとは、制作会社に対して「こんなサイトを作りたい」と伝えるための提案依頼書のことです。良い提案を受けるためには、RFPの内容が具体的である必要があります。記載する内容の例は以下の通りです。
- 会社概要や事業内容
- 現在のサイトにおける課題
- リニューアルの目的と背景
- 希望するサイト構成や機能
- 制作スケジュールと予算感
総務省の「ウェブアクセシビリティ基盤委員会」などでも、公共団体が発注する際のRFP例が公開されており、民間でも参考にできます。こうした文書を用意することで、パートナー選定がスムーズに進み、期待に沿った成果物を得やすくなります。
ホームページリニューアルで気をつけるべき注意点
SEOへの影響とその対策
リニューアルによって最も大きな影響を受けやすいのがSEO(検索エンジン最適化)です。構造やURL、コンテンツを大きく変更した場合、検索順位が下がるリスクがあります。特にGoogleはURL構造やコンテンツの変更に敏感で、インデックスが一時的にリセットされる場合があります。
国や公共機関の具体的なデータではありませんが、Googleの公式ガイドラインでも「既存ページの評価を維持するには、リダイレクト設定や構造の維持が重要」と明記されています。影響を最小限に抑えるには、事前にSEOの現状を把握し、リダイレクト対応、タイトル・ディスクリプションの最適化、モバイル対応などを確実に行う必要があります。
URL変更時のパーマリンク・リダイレクト対応
リニューアルでURL構造が変わる場合は、旧URLから新URLへのリダイレクト設定が必須です。これを怠ると、ユーザーがブックマークしたページが表示されず離脱が発生したり、検索エンジンに新しいページが正しく認識されなかったりします。
対策としては、「301リダイレクト(恒久的な転送)」を使用し、Googleに正しいページの移行を伝えましょう。また、リダイレクトマップ(旧URLと新URLの対応表)を作成しておくと、作業漏れを防げます。
アクセス制限・ネームサーバーの設定
リニューアル中のテスト環境が外部に公開されてしまうと、未完成の情報が検索エンジンにインデックスされたり、混乱を招いたりする可能性があります。そのため、テストサイトにはパスワード制限をかけるなどのアクセス制御が必要です。
また、リニューアル公開時にはネームサーバーの切り替えも正しく行う必要があります。設定を誤ると、旧サイトが表示されたままになったり、メールが届かなくなったりするため、事前にDNS設定の手順を確認し、IT担当者や制作会社と綿密に連携しましょう。
デザイン優先でユーザー目線を忘れない
見た目を重視するあまり、ユーザーにとって使いにくい構成になってしまうケースはよくあります。たとえば、動きのあるアニメーションを多用して読み込み速度が遅くなったり、メニューが分かりづらくなったりすると、かえって離脱率が高まります。
ユーザビリティを高めるには、下記の点を意識しましょう。
- スマートフォンでの操作性(ボタンサイズや配置)
- ナビゲーションのわかりやすさ
- 読み込み速度の高速化
- 視覚的な強弱で情報を整理
ユーザーの「探している情報にすぐたどり着ける」設計が、成果につながるリニューアルの基本です。
社内体制や責任者の明確化
リニューアルは社外の制作会社に依頼する場合でも、社内での意思決定や情報共有がスムーズに進まないと、トラブルや納期遅延の原因になります。特に中小企業では、担当者が複数の業務を兼任しており、リニューアルが後回しになるケースも少なくありません。
成功させるためには、社内で以下の体制を整えておくことが重要です。
- プロジェクトの責任者を明確にする
- 意思決定のフロー(誰がOKを出すか)を事前に共有
- スケジュールやタスク管理の役割分担
プロジェクトの初期段階から関係者全員と共有しながら進めることで、認識のズレや手戻りを防ぎやすくなります。
リニューアルを依頼する業者の選び方
制作実績と事例
制作会社を選ぶうえで、まず確認したいのが「過去の制作実績」です。実際にどのような業種・目的のサイトを制作してきたかをチェックすることで、自社と似たケースの経験があるかを判断できます。事例の中で「ビフォーアフター」や「成果指標(コンバージョン率向上など)」が示されていると、より信頼性が高まります。
たとえば、ある制作会社では、サービス業のクライアントに対し、スマホ最適化とユーザー導線の見直しを行った結果、問い合わせ件数が約2.5倍に増加した事例を公開しています。こうした実績は選定の判断材料として非常に有効です。
提案力とコミュニケーション力
リニューアルは単なる「作業」ではなく、「課題解決のためのプロジェクト」です。したがって、こちらの要望を正確にくみ取り、改善提案を行ってくれる提案力が重要です。また、メールや打ち合わせ時の対応が丁寧かどうか、専門用語をかみくだいて説明してくれるかなど、コミュニケーション力も非常に重要な要素です。
総務省の『情報通信白書(令和5年版)』でも、中小企業のIT導入において「ベンダーとの認識のずれ」が課題として挙げられており、双方向の対話のしやすさがプロジェクト成功のカギになるとされています。
費用とスケジュールの透明性
見積もりが曖昧で後から追加費用が発生するようなケースは避けたいものです。あらかじめ「どの工程にいくらかかるのか」「スケジュールはどう進行するのか」が明確になっている制作会社を選ぶと安心です。
チェックポイント | 確認方法 |
---|---|
費用の内訳があるか | 詳細な見積書を提示してもらう |
追加料金の条件 | 修正範囲や回数制限を確認 |
納品までの工程 | スケジュール表の有無を確認 |
上記のような情報が事前に明示されていると、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
リニューアル後のサポート体制
ホームページは公開して終わりではなく、運用・改善を続けていくことが重要です。そのため、「リニューアル後にどんなサポートが受けられるか」も業者選びのポイントです。
- 定期的な保守・メンテナンスの有無
- アクセス解析やレポート提供
- CMSの操作サポートやマニュアル
- トラブル時の迅速な対応
これらの体制が整っている会社であれば、長期的なパートナーとして安心して任せられます。特にITに詳しくない担当者が運用を担う場合は、サポートの厚さが安心材料になります。
ホームページリニューアル完了後の取り組み
プレスリリースやSNSでの告知
リニューアルが完了したら、すぐに社内外へ告知を行いましょう。どんなに内容の良いサイトでも、ユーザーに存在を知られなければ意味がありません。広報手段としては、プレスリリース、SNS投稿、メルマガ配信、既存顧客への連絡などが有効です。
たとえば、ある製造業の企業では、サイトリニューアル後にSNSでの告知を強化した結果、公式Instagramのフォロワーが1.5倍に増加し、そこからの問い合わせも増えました。告知は単なる報告ではなく、「なぜリニューアルしたのか」「どこが変わったのか」を伝えることで、関心を引きやすくなります。
動作・表示確認
リニューアル後の公開直後は、想定外の不具合や表示崩れが起こることがあります。これを放置すると、ユーザーの信頼を損ねる可能性があります。そのため、念入りな動作確認が必要です。
確認項目の一例は以下の通りです。
- スマホ・タブレット・PCなど複数デバイスでの表示
- 主要ブラウザ(Chrome/Safari/Edge/Firefoxなど)での表示
- リンク切れやフォームのエラー確認
- ページ読み込み速度
特にモバイルユーザーは日本国内で全体の約85%(出典:総務省 令和5年通信利用動向調査)を占めているため、スマホ表示のチェックは必須です。
アクセス解析・効果測定
公開後のアクセス状況を定期的に確認することで、リニューアルが成功したかどうかを把握できます。GoogleアナリティクスやSearch Consoleを活用すれば、訪問数・直帰率・滞在時間・検索キーワードなどを分析できます。
たとえば、あるBtoB企業では、リニューアルによって導線を改善した結果、「お問い合わせページ」への遷移率が約30%向上し、目標KPIの達成に近づいたという事例があります。数字による評価を行うことで、社内への報告や今後の改善にも活かせます。
継続的なPDCAと改善運用
ホームページは公開して終わりではなく、運用しながら改善を重ねていくことが大切です。そのために、PDCAサイクル(Plan・Do・Check・Action)を継続的に回しましょう。
改善内容の例としては以下が挙げられます。
- コンテンツの追加・更新(事例、コラム、FAQなど)
- CTA(問い合わせボタンなど)の配置変更
- 検索キーワードや競合分析に基づいたSEO対策の強化
また、ユーザーの声を反映した改善は信頼性向上にもつながります。定期的な見直しを怠らないことが、成果につながるホームページ運用の基本です。
ホームページのリニューアルは、単なる見た目の刷新ではなく、成果を最大化するための戦略的な取り組みです。本記事では、準備段階から進め方、注意点、業者選定まで網羅的に解説しました。下記のポイントをおさえて、自社に最適なリニューアル計画を立てましょう。
リニューアル成功のポイント
- 目的と課題を明確にする
- ユーザー視点で設計する
- 事前準備と要件定義を行う
- 段階的に手順を進める
- SEOなど注意点を把握する
- 信頼できる業者を選定する
- 費用と期間の目安を確認する
- 公開後も運用を継続する
事前準備をしっかり行えば、失敗のリスクを最小限に抑えられます。次は「採用サイトを作る意味とは?中小企業が採用に強くなる仕組み」の記事もぜひご覧ください。