SEOを損なわないホームページのリニューアル手順

「ホームページをリニューアルしたいけど、SEOに悪影響が出ないか不安…」「リニューアルとSEOの関係性って、どこまで影響するの?」「検索順位を落とさずにリニューアルするにはどうすればいい?」
そんな悩みを持つあなたに向けて、本記事では「ホームページ リニューアル SEO」というテーマについて、プロの視点で丁寧に解説します。
■本記事で得られる内容
- 1. SEOを損なわないリニューアルの手順
- 2. リニューアルで起こりがちなSEO失敗とその対策
- 3. 外注時に確認すべきSEO対応のポイント
■本記事の信頼性
本記事は、営業歴10年・HP製作実績多数の鳥栖市の制作会社が監修しています。これまで数多くの企業サイトリニューアルを手がけ、SEOの成果改善に貢献してきた実績をもとに執筆しています。
この記事を読み終えたころには、ホームページリニューアルにおけるSEOの重要性と正しい対応方法がクリアになり、安心して次の一歩が踏み出せるようになります。
SEOの基本知識
SEO(検索エンジン最適化)の基本概要
SEO(Search Engine Optimization)とは、検索エンジンでの表示順位を上げるためにウェブサイトを最適化する取り組みです。ユーザーが検索するキーワードに対して、自社サイトが上位に表示されるようにすることで、自然検索からのアクセス(オーガニックトラフィック)を増やすことが主な目的です。基本的なSEO施策には、キーワードの適切な使用、内部リンクの設計、meta情報の最適化、スマホ対応、ページ速度の改善などがあります。Googleの検索アルゴリズムは日々進化しており、ユーザーにとって有益なコンテンツを提供することが最も重視されるポイントです。
サイトリニューアルとSEOの関係性
サイトリニューアルとSEOは密接な関係があります。リニューアルの過程でURL構造の変更やコンテンツの整理が行われることが多いため、SEOへの影響も大きくなります。たとえば、リダイレクト設定を正しく行わないと、検索順位が大きく下がることがあります。また、meta情報や構造化データの設定を更新し忘れると、検索エンジンから正しく評価されなくなるリスクもあります。
一方で、リニューアルを通じてモバイル対応や表示速度改善、UI改善を図ることで、SEO効果を高めることも可能です。総務省の調査でも「スマートフォンからのインターネット利用が8割を超えている」(令和4年通信利用動向調査より)ことから、モバイル対応の重要性は非常に高いといえます。
実際に、リニューアルと同時にSEO施策を徹底した企業では、検索流入が約2倍に増加したケースもあります。つまり、正しく設計されたリニューアルはSEOにとって大きなチャンスとなり得るのです。
サイトリニューアルによるメリット・デメリット
SEO面でのメリットとデメリット
サイトリニューアルにはSEO面での大きなメリットがあります。まず、サイト構造や内部リンクを整理することで、検索エンジンにとってクロールしやすい構造になります。また、meta情報の最適化やモバイル対応によって、Googleからの評価が向上し、検索順位の改善が期待できます。特に、古いサイトではHTMLの構文エラーやタグの最適化不足が見られるため、リニューアルを機に改善することでSEO効果が出やすくなります。
一方で、URLの変更やコンテンツの削除が適切に行われなかった場合は、これまで得ていた検索順位を一気に失う可能性もあります。実際、Googleも「リニューアル時の301リダイレクト設定不足がSEOパフォーマンスを下げる要因になる」と明言しています。
ユーザビリティやCVR改善への影響
サイトリニューアルにより、ユーザビリティ(使いやすさ)が向上すると、コンバージョン率(CVR)も改善しやすくなります。ナビゲーションの分かりやすさやスマホでの閲覧性、ボタンの配置などが整理されることで、ユーザーの行動がスムーズになり、成果に直結します。Googleの「ページエクスペリエンスアップデート」でも、ユーザー体験の良し悪しがランキング要素に加えられたことから、UI/UXの改善がSEOにも影響することが裏付けられています。
例えば、ある中小企業の製造業サイトでは、リニューアルによって問い合わせフォームの導線を整理した結果、CVRが1.2%から2.8%へと大きく改善しました。SEOとユーザビリティは相互に関係しており、どちらもバランスよく設計することが重要です。
リニューアルにおけるコストとリスク
リニューアルにはある程度のコストがかかります。サイト規模にもよりますが、数十万~数百万円の予算が必要となることが一般的です。また、外注先の選定やスケジュールの調整も重要な要素となります。加えて、SEO対策が不十分なまま公開すると、アクセス数が減少するなどのリスクも存在します。
特に注意が必要なのは、リニューアル直後の数週間で検索順位が一時的に下がる現象です。これはGoogleの再評価プロセスによるもので、多くの企業が経験しています。SEO施策を事前にしっかり準備し、公開後も継続的にモニタリングすることが重要です。
このように、サイトリニューアルはSEOやCVR改善といった大きなメリットをもたらしますが、適切な手順と準備がなければリスクも伴います。成功のカギは、SEOの基本を押さえながら計画的に進めることです。
SEO失敗事例と対策
URL変更時のリダイレクトミス
サイトリニューアル時に旧URLから新URLへのリダイレクト設定を忘れると、検索エンジンからの評価を引き継げず、検索順位が急落する可能性があります。特に301リダイレクトを正しく使わず、リンク切れを放置すると、ユーザーの離脱率も高まります。Googleの公式ガイドでも「URL変更時は恒久的な301リダイレクトを使用すること」が推奨されています。
コンテンツ削減による順位下落
古い情報を整理しすぎて、有益なコンテンツまで削除してしまうと、検索エンジンに評価されていたページが消え、順位が下がる原因になります。特にアクセスの多いページや被リンクを多く集めていたページを安易に削除するのは危険です。対策としては、Google AnalyticsやSearch Consoleを使い、流入や評価の高いページは残すか、別ページへ統合する必要があります。
robots.txtの誤設定
サイト移行時に一時的にクロールを防ぐために使用していたrobots.txtの「Disallow」設定を、そのまま公開後も放置してしまう事例が多くあります。これにより、検索エンジンがサイトをクロールできず、検索結果に表示されなくなります。特に「Disallow: /」という設定が残っていると、全ページが対象になるため注意が必要です。
meta情報や内部施策の見落とし
リニューアル作業に集中するあまり、titleタグやdescriptionタグなどの基本的なmeta情報を未設定のままにしてしまうミスも少なくありません。検索エンジンはこれらの情報をもとにページの内容を理解し、検索結果の表示文としても利用するため、SEOにおいて非常に重要です。また、h1タグが複数ある、パンくずリストのリンク切れなど、細かな内部施策も見直す必要があります。
検索エンジンがクロールできない構成
JavaScriptでコンテンツを読み込む構成や、リンクが画像・スクリプト経由でしか遷移できない設計になっていると、検索エンジンがそのページにたどり着けず、評価対象になりません。特に、SPA(シングルページアプリケーション)のようなサイトは、正しい構造化と対策をしないと、検索流入が大幅に減少するリスクがあります。Googleは「重要なコンテンツはHTML内で直接レンダリングされるべき」と明言しています。
失敗しないためのポイント
- 301リダイレクトの設定を必ず行う
- 削除予定のページはアクセス状況を確認する
- robots.txtは公開前にチェックする
- meta情報はページごとに最適化する
- 検索エンジンがクロールできる構造を意識する
これらの対策をしっかり実施することで、SEO上の失敗を未然に防ぐことができます。リニューアルはSEOの大きなチャンスでもありますが、基本の確認を怠らないことが成功への近道です。
SEO対策の実施ポイント・チェックリスト
URLを変更した際は301リダイレクトを設定
サイトリニューアル時にURL構造を変更する場合は、必ず301リダイレクトを設定してください。これにより、旧URLのSEO評価を新URLへ引き継ぐことができます。Googleも「301リダイレクトは恒久的な移転であり、評価を保持できる方法」として推奨しています。設定漏れがあると、検索順位が一時的ではなく恒常的に下落することもあります。
削除ページは404を返す
すでに必要のなくなったページは、適切に「404 Not Found」を返すようにしましょう。これにより、検索エンジンはそのページの削除を認識し、インデックスを整理してくれます。404が設定されていないと、ユーザーがエラーページにたどり着かず混乱する場合もあります。
robots.txtでクロール拒否しない
開発時などに使う「Disallow: /」などのクロール拒否設定を、公開後に残してしまうと重大なSEOトラブルになります。クロールされないページは検索に表示されないため、robots.txtの設定は必ず見直しましょう。Google Search Consoleを使えばクロールステータスの確認も可能です。
XMLサイトマップの設置と送信
XMLサイトマップは、検索エンジンに対してサイト全体の構造を明示する役割を持っています。GoogleはXMLサイトマップの送信を強く推奨しており、特にページ数の多いサイトでは必須です。Search Consoleから送信しておくことで、インデックスのスピードが大幅に向上します。
meta情報(title・description)の最適化
すべてのページに、キーワードを含んだ適切なtitleタグとdescriptionタグを設定することで、クリック率と評価が向上します。meta情報は検索結果に表示される重要な要素であるため、重複を避け、内容を具体的に記載しましょう。
スマホ対応(レスポンシブデザイン)
Googleはモバイルファーストインデックスを導入しており、スマホでの表示を評価基準にしています。そのため、レスポンシブ対応は必須です。レイアウトが崩れていたり、ボタンが押しづらい場合は、SEO評価にも悪影響を及ぼします。
内部リンク設計の最適化
関連ページ同士を内部リンクでつなぐことで、ユーザーの回遊性が高まり、検索エンジンにもサイト構造を正しく伝えることができます。重要なページはトップページやナビゲーションからアクセスできるようにしましょう。
alt属性の適切な記述
画像にはalt属性(代替テキスト)を設定することがSEOにもアクセシビリティにも有効です。Googleは画像の内容をalt属性を通じて理解するため、検索に有利に働くことがあります。キーワードを意識しつつ、簡潔で意味のある内容にしましょう。
URLの正規化
同じコンテンツが複数のURLでアクセスできる場合は、canonicalタグを使用して正規URLを指定しましょう。これにより、重複コンテンツとみなされることを防ぎ、評価が分散しないようにできます。
Google Search Consoleでの設定更新
リニューアル後は、Search Consoleで新しいサイトマップの送信、URL検査、インデックス状況の確認などを行うことが大切です。また、ページエラーやモバイルユーザビリティの問題もここで発見できます。
まとめとしてのチェックリスト
- 301リダイレクトを正確に設定
- 不要ページは404対応
- robots.txtの設定確認
- XMLサイトマップを送信
- meta情報を各ページに設定
- スマホ対応を徹底
- 内部リンクで導線を最適化
- alt属性を記述
- canonicalでURLを正規化
- Search Consoleで状況を確認
これらを丁寧に実施することで、リニューアル後もSEO効果を維持・向上させることが可能です。
SEOを考慮したリニューアル手順
現状のSEOパフォーマンスを分析する
リニューアルを行う前に、まずは現在のサイトがどのようなSEO成果を出しているかを分析する必要があります。Google Search ConsoleやGoogle Analyticsを使えば、どのページが検索流入を多く集めているか、どのキーワードで表示されているかを確認できます。この情報は新しいサイト設計に活かすべき重要な基礎資料です。評価の高いページを把握せずにリニューアルを進めると、順位やアクセスが下がるリスクがあります。
新サイト構造とキーワード設計を計画する
分析結果をもとに、新しいサイトの構造(情報設計)とキーワード設計を行います。ユーザーの検索意図に沿ったカテゴリ分けやページ構成にすることで、検索エンジンに理解されやすくなります。また、titleタグや見出しタグ(h1~h3)にもキーワードを適切に入れることが、SEO評価に大きく影響します。日本観光振興協会の調査によると、ユーザーの約7割が「情報を見つけやすいサイト」に好感を持つとされており、構造設計の重要性がうかがえます。
リダイレクトマップを作成する
旧サイトと新サイトのURLの対応関係を記録した「リダイレクトマップ」を作成します。これにより、旧URLにアクセスがあった場合に、自動的に新URLへ適切に転送することができ、検索エンジンの評価を引き継げます。設定は「301リダイレクト」を使用することが基本です。とくに企業サイトのように長年運用されている場合は、リンクが多く貼られているページを見落とさないように注意しましょう。
テスト環境で動作確認を行う
本番公開前に、テスト環境でサイトの動作確認を行います。この段階で以下の点をチェックしましょう:
- すべてのリダイレクトが正しく動作しているか
- meta情報や見出しが正しく設定されているか
- モバイル表示に問題はないか
- 読み込み速度が遅くないか
これらの確認を行わずに公開してしまうと、SEO効果が出るどころか、逆効果になることがあります。
公開後もパフォーマンスを継続モニタリング
リニューアル後も安心せず、Google Search ConsoleやAnalyticsで定期的にパフォーマンスを確認することが重要です。検索順位の変動、クロールエラー、ページ速度の低下など、気づきにくい問題を早期に発見できます。特に、公開から1~2週間はインデックス状況や流入変化を日単位で追うことが推奨されます。
チェックリストとして押さえるべきポイント
- SEO効果の高い既存ページを特定・保存
- キーワードを反映した新構成を設計
- 301リダイレクトを全ページに適用
- テスト環境での動作確認を徹底
- Search Consoleで継続的に監視
このような手順を丁寧に実行することで、リニューアル後のSEOパフォーマンスを落とすことなく、より良い結果を得ることができます。
まとめ|リニューアルとSEOの両立が成功のカギ
サイトリニューアルは、デザイン刷新や機能強化にとどまらず、SEOへの配慮が欠かせない重要な施策です。SEOの知識が不十分なまま進めると、検索順位の下落やアクセス減少を招く恐れがあります。以下に要点を整理しました。
- 1. SEO視点で構造を見直す
- 2. リダイレクトなど基本を徹底する
- 3. スマホ対応・表示速度も強化する
- 4. 検索エンジンが巡回できる設計に
- 5. 公開後もモニタリングを継続する
- 6. 実績ある外注先と連携する
SEOを損なわず、成果を最大化するリニューアルを実現するためには、技術と戦略の両輪が必要です。次は「レスポンシブ対応で見やすさアップ!スマホ時代のUI設計とは」もぜひご覧ください。